平成16年度全国単位制高等学校設置状況-分析3
2 単位制総合学科の統計

 平成5年の制度改革の大きな目玉として、総合学科の設置が制度化された。高校へほとんどの生徒が入学する時代となり、 多様な個性を持つ生徒が入学し、従来の普通科や専門学科での教育が難しくなってきた。その中で、幅広く科目を自由に 選択し学ぶことにより、自分の進路を見いだせる学校として、設置数が年々増えている。総合学科高校では、ほとんど単位制を 実施しており、ここでは、総合学科のみの統計を紹介する。226校の総合学科高校で、定時制・通信制は19校で、ほとんどが 全日制課程である。定時制総合学科でも、昼間定時制がほとんどをしめる。
総合学科高校では、将来の進路・職業を見つけさせるために「産業社会と人間」という科目が原則履修科目となっている。
各校の系列数の統計

 総合学科高校では、生徒が自分の能力や進路を見据えて、多くの選択科目から適切な科目を選択しやすいように、系列を設けている。 一般的にこの系列は、従来の専門学科の科やコースとは異なり、あくまでも選択の目安を示すもので、他の系列科目を選択してもかま わないとしている学校が多い。統計的に見ると、5系列前後を設置している学校が多いようである。
 系列の内容であるが、大きく分けて三つに分けられる。普通科高校の文系や理系という色分けをもとにした「人文社会」・「自然科学」系の系列。 「ビジネス」「工業」「バイオ」系という専門学科を母体とした系列。「情報」「国際」「環境」「福祉」などの最近注目されている分野の系列に分けれられる。
系列の内容別の統計
総合学科へ改編される前の学科統計

情報系(153校)
人文系(145校)
自然科学系(140校)
福祉系(103校)
国際系(99校)
生活系(90校)
商業ビジネス系(84校)
スポーツ健康系(75校)
芸術系(52校)
環境系(51校)
工業系(43校)
農業系(35校)
  

普通科(164校)
商業科(60校)
農業科(48校)
工業科(40校)
その他(57校)
新設(5校)

※その他は、家政系の学科が主である。普通科のみの改編は1/3程度で、商業科や工業科と普通科が統合され 総合学科に改編された場合が2/3を占める。
 総合学科の新設校は僅かで、ほとんどが既存校の改変である。改変前の学科を見ると普通科が圧倒的に多い。 単一学科が総合学科に改変された学校は、全体の1/3で、ほとんどが普通科からの改編である。残りのほとんどは、 普通科と専門学科の統廃合のケースが多くなっている。地方では、農業科と家政系の学科が統合し、総合学科になっている特徴ある ケースが見られる。志願者の変化により、専門学科単独での維持が厳しくなり改変されたと考えられる。
系列の内容を見ると、普通科からの改編が多いことと関係して人文や自然科学系列という、普通科の文系理系感覚の系列が多い。 また、時代を反映して、情報・環境・福祉という系列も目立つ。
 総合学科新設から10年近く経過し、今後も学科の増加が見られる。高校全入時代の切り札としての総合学科新設であったが、10年 近く経過する中で、いろいろな問題も出てきている。たとえば、専門学科と違い系列に縛られないために、パノラマ的に取りやすい科目の単位 だけを取得して卒業する生徒が増えていることである。これにより、進学指導も就職指導も中途半端になりやすくなってしまっている。 このことから、出口が見えにくいといこうとで、都市部では、総合学科ということで生徒が集まらなくなってきている現状があったり、 女子の入学者が多いという傾向も見られる。 また、専門学科出身の教員が、従前の専門学科での専門的な指導を考えてしまい、生徒のニーズとずれが生じているなどの問題も出てきている。

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